注目!一般企業の音楽団体 アンケート結果|音大生就活ナビ

注目!一般企業の音楽団体 アンケート結果

企業内音楽団体とはどんなとこ?

企業内音楽団体とはどんなとこ?

アンケートは、企業の名前を冠している音楽団体にご協力をお願いしました。

音楽団体の形態は以下のとおりです。
オーケストラ20%、吹奏楽団58%、合唱団22%
そのうちアンケートを回答していただいた団体もほぼ同じ割合で、吹奏楽団が全体の6割程度、残りがオケと合唱でそれぞれ2割程度でした。

企業内音楽団体に吹奏楽団が多い理由としては、吹奏楽は屋外での演奏が可能でマーチングバンドなどもできるため、職場の行事やスポーツ団体の応援などでの出演機会が多いということがあげられるかもしれません。

いずれにしても、アンケートをお送りした企業内音楽団体の規模や活動はそれぞれに異なり、毎年、コンクール全国大会で上位に入賞するような音楽団体もあれば、イベントなど企業や地域に密着した活動をおこなう団体もあります。

アンケート回答にご協力いただいた団体は、企業名を冠することを企業から認められている公認団体がほとんどでした。企業に認められている団体ということで、団体の代表者は企業社員あるいは職員です。
ただし団員は、正社員に限らず、グループ会社社員や非正規雇用者、OB、社員の家族など比較的ゆるい制限で募集している団体が多いように見受けられました。

企業内の施設を使用できるというメリットを持つ団体も多数あります。
一般の音楽団体だと、練習場所を借りるのにお金がかかったり、公的練習会場の予約抽選などに人員や時間をとられたりすることも少なくないので、そういう点は、企業内音楽団体はとても恵まれているようです。同様に、会費や演奏会参加費などを含んだ個人経費も、企業内音楽団体は比較的負担が少なめで、アンケート回答結果では、年間の個人負担は1~5万円程度でした。

また、打楽器など大型楽器もほとんどの団体が所有しており、企業内音楽団体は総体的に「個人にやさしい団体」とみることができるかもしれませんね。

演奏メンバーは枠を超えた仲間

演奏メンバーは枠を超えた仲間

アンケートにご協力いただいた団体は、オーケストラ・吹奏楽団・合唱など多岐分野にわたります。

メンバー数はどのくらい?

団体によってメンバーの数も実にさまざま。
ご回答いただいたうち、オーケストラでは33名のところから110名の大所帯までありました。
吹奏楽も15名の小アサンブルから70名という大きな団体もあり、合唱団は30~60名でした。

団員募集はどのタイミングで? 入団条件は?

団員募集はほとんどの団体が常時行っており、一部の団体は「合奏についてこれる方」「楽器経験者が望ましい」「パートの定員次第」などの条件をあげています。
回答団体のうち音大出身者がメンバーとして在籍しているのはわずか1団体のみでしたが、コンクール等の参加経験者が多数在籍する団体は30%ほどありました。

指導者はどんな人?

常時プロの指導者・指揮者に指導を受けている団体が7割程度、残りは団内・OBなどが指導に当たっているようです。また、通常は団内指導者のもと練習をし、定期演奏会やコンクールなどの本番前に外部の指揮者に来てもらう団体もいくつかありました。

構成メンバーは社員だけ?

構成メンバーは社員だけ?

上記のようなアンケート結果となりました。
正社員のみがメンバーという団体は意外にも少なかったのですが、オーケストラや吹奏楽では、幅広く楽器演奏者を集める必要もあり、正社員に限ると集めにくい事情もあるのかもしれません。
企業内の団体のため、基本的に団の代表者は社員・職員でした。

同じ会社の中とはいえ、さまざまに異なる部署や立場のメンバーが音楽でつながる企業内音楽団体。
社会では音楽活動は趣味の延長に見られがちですが、枠を超えた音楽でのつながりは、社会人として生きていくうえで大切な要素のひとつとなるでしょう。

一般の音楽団体だと練習や本番を休むのは気が引けることが多いですが、同じ会社内だと「あの部署は今忙しいからなあ」とか「転任したばかりで大変だ」など、お互いの状況がわかり、協力し合える面も多いのではないでしょうか。

練習や本番などの大切な時間を分かち合う音楽の仲間が働く場にいる、ということは一般企業で働く音大卒業生には大きな心の支えになるかもしれませんね。

練習環境は大切!

練習環境は大切!

音楽は練習が基本。
企業に就職すると練習時間が取れないのでは?という点で、就活に二の足を踏んでいる音大生も少なからずいるでしょう。

では実際、企業内音楽団体で活動している社会人の先輩達は、どんなふうに練習時間や環境を確保しているのでしょうか? 今回はそんな観点からアンケート集計をしてみました。

練習日はいつ?

平日の就業時間外に練習時間を持っている団体が57%、土日など休業日が33%、無回答が10%で、就業日・就業時間内に練習がある団体はゼロでした。やはり、仕事をしっかり行い、音楽団体の活動は就業時間外でおこなうという基本体制はどの会社にも共通している点です。
ただし、会社行事のための演奏などがある団体は、業務扱いで本番演奏をすることもあるそうです。

想定外の練習頻度

アンケートのうち、一番多かった回答は週1回で、全体の33%を占め、週2回の回答も19%ありました。
当サイトでは、企業内ということも考慮し、月2回くらいが一番多いのでは?と想定していたので、現実には毎週練習のある団体が全体の半数を超えるという回答結果に、少々驚きました。
その他の回答は、月2回、3回ということで、どの団体もかなり定期的に練習時間をとり、活発に活動している様子がうかがえます。

練習場所は社内が多い

練習場所は、70%の会社が社内、20%が社外、10%が回答なしでした。
社内の練習場所としては、会議室、研修センター、社員食堂、その他会社施設などが挙げられ、中には社内保育園や社内に練習場のある恵まれた団体もありました。
社外と答えた団体は会社のある地域の公共施設を使用しているとのことでした。

楽器の保有など

所有楽器なし、との回答は14%、回答団体はいずれも合唱団でしたので、これは当然ですね。
残りの団体のうち無回答14%を除いた団体は、全て何らかの楽器を所有しています。
大型楽器を所有している団体が62%。

団体がオケかブラスかというところで、持っている楽器も違いますが、打楽器(ティンパニなど)、コントラバス、チューバ、ドラムセットなどが回答の多い楽器でした。
また、全ての楽器を所有し、団員に貸与しているという団体も10%ありました。

楽器を持って出社となると、車通勤ならよいですが、満員電車での通勤の場合、できるだけ避けたいところです。その点、楽器が会社にあるという環境は、とても恵まれていますね。

本番に向かって

本番に向かって

音楽団体の活動の要はやはり本番!
「どんな本番があるのか?」という点も見逃せない大きなポイントです。
今回はその点をクローズアップしていきます。

大会、コンクール等への参加

定例として参加している:36%、参加経験あり:32%、参加経験なし:32%とほぼ3等分に分かれました。
社外主催となる大会やコンクールへの参加は、それぞれの団体あるいは会社の考え方が反映される部分かもしれません。

イベントへの参加

全体の36%の団体が、「社外・社内のイベントへの参加経験ありと回答しました。
社内イベントで一番多かったのは社会人野球の応援、その他にも会社創立記念式典などでの演奏機会のある団体もありました。社外では地域振興チャリティーコンサート、もみじまつり、近隣老人施設への訪問演奏など、活発に地域と交流する団体も少なくないようです。

定期演奏会

定期演奏会を行っている団体は、全体の6割を超えていました。
自分たちのレパートリーを演奏し、団体の個性を存分に発揮できる定期演奏会は、やはり多くの音楽団体の活動のメインと位置付けられているようです。

どのくらいのスパンで定期演奏会をおこなっているかという点にも多数の団体から答えていただきました。年1回が一番多く全体の1/3強で、年2回の団体や8カ月毎という団体、また5年に1回というゆったりペースの団体もありました。定期演奏会の他にも、社員向けのファミリーコンサートやクリスマスコンサートなどを開催されるところもあるようです。

演奏会やコンクールなど、本番の活動の様子を知ると、その団体を具体的にイメージできるきっかけになりますね。HPを持っている企業内音楽団体も多いので、興味のある団体の定期演奏会などに足を運んでみるのもいいかもしれません。

本サイトにも、コンサート情報のコーナー(おすすめコンサートのお知らせはこちら>>)があり、企業内音楽団体の演奏会も載っていますので、そちらもぜひご覧くださいね。