音大生にエール!
連載01

本物が求められる時代に向かって

皆さん、こんにちは。ピアニストの斎藤雅広です。
これからしばらくここで皆さんのお力になれるような連載をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

私はクラシックのピアニストとして18歳でデビューして、それ以後山あり谷あり、いろんなことがありましたが、今も現役で第一線で活動をしています。プロになってからは43年!ホントに戦いの日々ですね。

本物が求められる時代に向かって 皆さんも学生さんとして、この時期にコロナという、どうすることも出来ない状況を経験されているということでは、もしかしたら私よりももっと苦難の道が待っているのかもしれませんね。

でも2015年以降?でしょうか、音楽家もネット社会になり、誰でもが自分で簡単に発信できる世の中になって、一流演奏家もアマチュアもぐしゃぐしゃになって、より斬新なアイデアとか、特徴のあるコンサートをしなければいけなかった時期が続いていました。クラシック音楽の場合は混沌としていた時代だったのかもしれません。

コロナのせいで、簡単にはコンサートで収益があげられなくなりました。つまりコンサートが出来る人と活発ではあるけどネットで無料でやる人という、格差ある時代が待っているような気がします。ますますテレビに出ているような人しかコンサートが出来なくなる?いや、それはどうでしょうか?気軽にネットで音だけは聴ける中、もう中身のない演奏にはうんざりということになるような気もするのです。

だから簡単に世に出ることを考えないで、今こそ蓄積の時、しっかり勉強する時では?と私は思いますよ。大いに時間を大切にして下さいね。

ピアニスト 斎藤雅広 profile

ピアニスト 斎藤雅広 東京芸大出身。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ等に師事。18歳で第46回日本音楽コンクールに優勝し、翌年NHK交響楽団との共演でデビュー、「芸大のホロヴィッツ」と称される。 国内主要オーケストラの他に、韓国KBS響、ミュンヘンプロアルテ室内管、ワイマール歌劇場管弦楽団等と共演し、ウクライナ、イギリス、ポーランド、フランスの国際音楽祭に招かれリサイタルを開くなど、海外でも高く評価された。室内楽でも巨匠ヨゼフ・スークはじめ、ペーター・シュミードル、ヴェンツェル・フックス、ヤナーチェクSQ、ヴィア・ノヴァSQ等とも共演を重ね賞賛された他、 フランチェスコ・アライサ、ルチア・アリベルティ、デニス・グレイヴス、トム・クラウゼ、イロナ・トコディ、ハンス・ペーター・ブロホヴィッツ、ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ、サイモン・エステスをはじめ、多くの世界の名歌手達から厚い信望と絶賛を得て、わが国最高の名手という評価を不動のものとした。

斎藤雅広 facebook

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