【連載49】演奏会へ出かける
シャンゼリゼ劇場の天井にほど近い「見えない席」です。
Maurice Denisの絵画とアールデコの照明に手が届きそう。
シャンゼリゼ劇場の天井にほど近い「見えない席」です。Maurice Denisの絵画とアールデコの照明に手が届きそう。
私が来シーズンで特に楽しみにしているのは、ヨーヨー•マのバッハ組曲全曲、内田光子とサイモン•ラトルの共演や、2020年のクリスマスに亡くなったイヴリー•ギトリスの追悼演奏会「IVRY FOR EVER」です。これはギトリスの親友であったマルタ•アルゲリッチが仲間とやるコンサートで、まだ1年以上先ですが、かぶりつきを押さえました。アーティストによって値段も違うので、これは完売が見込まれているなとか、この人は随分ランクが上がったななどと読み取れます。
私の住むサンジェルマンアンレー市のお城の庭で、アルゲリッチも出演した野外コンサートがありました。
強い日差しと風の中での演奏でした。
私の住むサンジェルマンアンレー市のお城の庭で、アルゲリッチも出演した野外コンサートがありました。
強い日差しと風の中での演奏でした。
日本は昔から積極的に海外アーティストを呼ぶ習慣があるので、高価ではありますが、かなりバラエティに富んで聴けると思います。美術品もしかり、わざわざ飛行機に乗らなくても観られる、聴けるものは有り難いと思って財布の紐を緩めるしかありません。
6月18日、野外コンサートでベートーヴェンのトリプルコンチェルトを演奏しました。
6月18日、野外コンサートでベートーヴェンのトリプルコンチェルトを演奏しました。
演奏者はライトに虫が集まってきて困るんですよね…。私は虫が苦手なので、手に止まられたりしたら、ff でミスタッチします。でも虫のせいだなんて、遠い客席では誰も思わないでしょうね。
木野 真美(きの まみ) ピアニスト profile
桐朋学園大学附属子供のための音楽教室でピアノをはじめ、桐朋学園大学卒業後、1994年よりパリ在住。中島和彦、アンヌ•ケフェレックなどに師事。高校在学中より兄であるヴァイオリニストの木野雅之の伴奏を務め、その後数々のアーティストとヨーロッパや日本で共演している。モーツァルト国際ピアノコンクール第3位、日本室内楽コンクール優勝。
子守歌集「Lullaby oh lullaby!」ベルエポックのソロ作品「雨にぬれた庭」「伊福部昭作品集」「貴志康一作品集」「アルルのカルメン」などCD,DVD録音も行なっている。
伴奏、室内楽、ソロ活動の他、現在はパリ郊外の音楽院で教師をし、レクチャーコンサートにも多数出演している。2009年にはカネボウ化粧品のサイトでコラム「パリからの手紙」を5年間連載した。
趣味はチェロとチェンバロ。現在はパリ郊外のサンジェルマン•アンレー市在住。
木野真美さんに聞いちゃおう!
ピアニストの木野真美さんにお聞きしたいことなどありましたら、こちらからお問い合わせください>>
次回の掲載は2022年7月20日ごろを予定しております!
ぜひお楽しみに!