進路を決める前に読んでほしい!! 〜音大生応援団長の進路指導〜 コラム5 音楽家として生きる道①|音大生就活ナビ

進路を決める前に読んでほしい!! 〜音大生応援団長の進路指導〜

【コラム05】音楽家として生きる道①

前回、成功する音楽家になれるといいよねぇ、という話をしました。世間から注目を集めるだけではなく、金銭的にも恵まれる夢のような世界です。ただ、これにはみなさんもご存じの通り、多少ピアノが弾ける、トランペットが吹ける程度ではどうしようもありません。とはいえ、「音楽が好きだからそれを仕事にしたい!」という気持ちは痛いほどわかります。どうしたらいいのでしょうか?

道としては2つだと思います。ひとつは正面突破。いい先生に付いて、ガンガンとコンクールを受けまくって、世間に自分を認めさせることです。ただこの路線は結構賞味期限が短いです。早く結果を出さないと、若い人が次から次に出てきます。音大生はみんな若いと思っているけれど、全然若くないからね(笑)。

音大就活ナビ 例えば最近テレビでよく見かけるピアニストの藤田真央さんは、大学2年か3年でチャイコフスキー国際コンクール2位になっていますが、それ以前すでに17歳で浜松国際ピアノアカデミーコンクール第1位、18歳で第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール優勝という実績を持っていたし、ヴァイオリンの辻彩名さんも18歳でモントリオール国際音楽コンクール第1位になりブレイクしましたが、11歳のときにはすでにプロオケと共演していました。ですからこの路線は、早熟でないと、辛いかも。

ではどうしたらいいの?と考えて浮上してくるのが、前回言った「人の心をワシ掴みにするようなSomething」を身に付けることではないかと思うんですよね。先日テレビを見ていたら、葉加瀬太郎さんが「音楽で生きていくには『こいつ、使えるな』と思われることが大事」と言っていましたが、多分それと同じようなことではないでしょうか。

音大就活ナビ 一杯いる演奏家の中から選んでもらうわけだから、腕がいいのは当たり前で、プラスαの何かがないと、厳しいのだと思います。あらゆるジャンルに対応できる、アドリブができる、アレンジできる……。こちらもなかなかハードル高そうですが、大卒後からでもブレイクのチャンスはあります。最近人気のハラミちゃんなんか見ていると、「まさに!」という感じがしますが、いかがでしょう。

音大生の応援団長、大内孝夫 profile

音大生の応援団長、大内孝夫 元メガバンク支店長(慶応義塾大学経済学部卒)。
音大に転職し、音大生のすばらしさに感動!『「音大卒」は武器になる』を執筆、ベストセラーに。企業就職のみならず、演奏家、音楽教室などを志すすべての音大生にエールを送る。2020年より名古屋芸術大学教授、全日本ピアノ指導者協会キャリア支援室長。他の著作として『「音大卒」の戦い方』(ヤマハミュージックメディア)、『大学就職課発!! 目からウロコの就活術』『「音楽教室の経営」塾』①、②巻(ともに音楽之友社)、『そうだ!音楽教室に行こう』(音楽之友社)など。

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次回の掲載は2021年4月25日ごろを予定しております! ぜひお楽しみに!

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