進路を決める前に読んでほしい!! 〜音大生応援団長の進路指導〜 コラム8 閑話休題②|音大生就活ナビ

進路を決める前に読んでほしい!! 〜音大生応援団長の進路指導〜

【コラム08】閑話休題②

前回ご紹介した私の新刊『「ピアノ習ってます」は武器になる』。元々多くのお子さんにピアノを習って欲しいと書き始めたのですが、音楽を学んだあとの進路についても紙面を割いています。というのも、私にはピアノやその後に学ぶ他の楽器や歌で進路を見誤って欲しくない、との強い思いがあるからです。

音大生との会話の中で、いつも頭の中から離れない、いくつかの印象的な言葉があります。「音楽の世界で生きていかなければ音大を出た意味はない」「音大出て一般就職するのは負け組」「演奏家になれないなら、楽器を捨てる」などです。一方で、このような考えから無理して音楽の道に進み、生活に行き詰った多くの卒業生を目の当たりにしてきました。その背景に、これらの言葉に象徴される旧来からの「音大生気質」があるのは明らかです。

しかし、音大生は若いこともあって一途ですから、中々この「音大生気質」を変えることはできません。では音楽で生きていくにはどうしたらいいのか? 方向としては2つです。ひとつは音楽教室。演奏家だけではなく、指導者の道も考えることです。

音大就活ナビ 音大生が音楽教室で生計を立てやすいよう『「音楽教室の経営」塾』を書いて、生徒集めの奥義(?)を伝授し、『そうだ!音楽教室に行こう』で大人を巻き込んで、教室を盛り上げることにしました。全然力が足りず、まだまだ普及するには至っていませんが、これからも音楽教室を応援し、生徒が増えて楽器や楽譜が売れ、コンサートに足を運ぶ人が増え、好きな音楽で生活できるならと音大の門を叩く学生も増える社会の実現を目指して残りの人生を掛けたいと思っています。

そしてもうひとつが、新刊でご紹介している兼業あるいは副業(複業?)音楽家の道です。一度就職してノウハウや資金を蓄えてから音楽の世界に舞い戻る事例や、他の職業を続けながら精力的に演奏活動を行っている人が増えてきました。これらの事例はとても参考になると思います。進路選択でお悩みの方は、是非手にして頂ければと思います。

次回は演奏家のお話に戻ります。

音大生の応援団長、大内孝夫 profile

音大生の応援団長、大内孝夫 元メガバンク支店長(慶応義塾大学経済学部卒)。
音大に転職し、音大生のすばらしさに感動!『「音大卒」は武器になる』を執筆、ベストセラーに。企業就職のみならず、演奏家、音楽教室などを志すすべての音大生にエールを送る。2020年より名古屋芸術大学教授、全日本ピアノ指導者協会キャリア支援室長。他の著作として『「音大卒」の戦い方』(ヤマハミュージックメディア)、『大学就職課発!! 目からウロコの就活術』『「音楽教室の経営」塾』①、②巻(ともに音楽之友社)、『そうだ!音楽教室に行こう』(音楽之友社)など。

大内孝夫さんに聞いちゃおう!

音大生の応援団長、大内孝夫さんにお聞きしたいことなどありましたら、こちらからお問い合わせください>>>

次回の掲載は2021年6月10日ごろを予定しております! ぜひお楽しみに!

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