進路を決める前に読んでほしい!! 〜音大生応援団長の進路指導〜 コラム9 音楽家として生きる道③|音大生就活ナビ

進路を決める前に読んでほしい!! 〜音大生応援団長の進路指導〜

【コラム09】音楽家として生きる道③

音大就活ナビ 少し話は戻りますが、【コラム04】で、「収入面で本当に成功したければ、音楽家や音楽ビジネスを個人で始める方がいい」と書きました。ちまたでは、サラリーマンにとって年収1,000万円はひとつの大きな目標だけど、そんなサラリーマンが100人(合計10億円!)束になってもかなわない舞台、それが音楽の世界だからです。

ただ問題がふたつだけあります。ひとつはわかりますよね。「レディー・ガガのような有名アーティストや著名演奏家は存在しても、それに自分はなれない」ということ。さすがの音大生も、世界的アーティストになれる、とまで思っている人は少ないようです。

ではどう思っているか?
「卒業してとりあえず、アルバイトで生活費を稼ぎながら演奏活動を続けよう」

これですよ、大体。ここでふたつ目の問題が出てきます。一般就職すると、最低250万円くらいは年収の保証があるわけですが、この場合それがなく、下手すりゃ「年収最悪ゼロ」という問題です。みんな若いから何とかなる、と思っているじゃないですか。周りもそうだし。でもね、これが意外と何とかならない。

音大就活ナビ 丁度今、コロナでそれがわかりやすくなっています。テレビを見ていると、公園などでボランティアが炊き出しをやって、生活難の人の支援をしていますが、支援される側には30代くらいの人も多く混ざっています。なぜかといえば、正社員は雇用(雇い続けること)が守られても、多くの場合、アルバイトや契約社員までは守られていないからです。大企業でさえそうなのですから、余裕のない中小企業はなおさらのこと。それを知らずに、この道に進むと「しまった!」と、後の祭りになりかねません。

実家に資産が100億円あって、働く必要がない人や、決まったパートナーがいて、「おカネはあるから、好きなことしていいよ」と言われている人などは問題ないでしょう。実家が事業をやっていて、将来それを継ぐ人なんかも大丈夫かな。では、オレ(私)は違う、という人はどうしたらいいか?
次回はそんな話をしたいと思います。

音大生の応援団長、大内孝夫 profile

音大生の応援団長、大内孝夫 元メガバンク支店長(慶応義塾大学経済学部卒)。
音大に転職し、音大生のすばらしさに感動!『「音大卒」は武器になる』を執筆、ベストセラーに。企業就職のみならず、演奏家、音楽教室などを志すすべての音大生にエールを送る。2020年より名古屋芸術大学教授、全日本ピアノ指導者協会キャリア支援室長。他の著作として『「音大卒」の戦い方』(ヤマハミュージックメディア)、『大学就職課発!! 目からウロコの就活術』『「音楽教室の経営」塾』①、②巻(ともに音楽之友社)、『そうだ!音楽教室に行こう』(音楽之友社)など。

大内孝夫さんに聞いちゃおう!

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次回の掲載は2021年6月25日ごろを予定しております! ぜひお楽しみに!

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