音大生応援団長の進路指導
連載16

目標設定、管理・運営の実践

ここまで、目標を設定することの大切さ、その管理・運営の方法についてご説明しました。あとはみなさんそれぞれの実践あるのみです。 とはいえ目標の大切さをセミナーでお伝えしても、半年後とか1年後に何かでお会いすると、「セミナーから帰ってすぐ目標を立てたけれど、そのままになっている」ならまだしも、「いや~、なかなか目標が見つからなくて……」という方が大半です。当然ですが、その方の状況は、セミナー参加時とほとんど変わりありません。

やはり人間は、好きなこと以外は強制されないと、なかなか実行できないようです。そこが会社と個人事業の大きな違いです。

数字、支店名練習

写真:数字、支店名練習

会社員になると、なったその日から目標は日課になります。私の場合は、入社式後、研修室に身柄を引き渡され(笑)、一週間合宿で銀行員としての「基本のキ」と目標の大切さを教わりました。それが終わると支店勤務となり、毎日OJTで仕事した後、そろばんと正しい数字や支店名を書く練習をして、「新入行員ノート」(写真)を指導員に提出することが日々の日課となりました。

新入行員ノート

写真:新入行員ノート

新入行員ノートを読み返してみると、その中には今月の目標が設定されており、その反省(C)と今後の対応(D)が記されています。以来30年間、常に目標を課された生活でした。目標はできたり、できなかったりですが、目標があったからこそ充実した会社員人生が送れたし、今があるのだと思います。

目標の振り返り

写真:目標の振り返り

会社員と違って、演奏家や作曲家などは誰からも強制されません。自分で目標を立て、実行できないのは、ある意味仕方ないことかもしれません。そしてそれが、大半の人が一流どころか二流にさえなれない理由なのでしょうね。現に私の知る限り、うまくいかない人で目標設定している人はいますが、成功している人で目標設定していない人はいません。ですから、目標設定しないのは、その時点ですでに成功を諦めているのと同じです。

今最も成功している旬な例は、「大谷翔平 目標」で検索すると確認できます。

音大生の応援団長、大内孝夫 profile

音大生の応援団長、大内孝夫 元メガバンク支店長(慶応義塾大学経済学部卒)。
音大に転職し、音大生のすばらしさに感動!『「音大卒」は武器になる』を執筆、ベストセラーに。企業就職のみならず、演奏家、音楽教室などを志すすべての音大生にエールを送る。2020年より名古屋芸術大学教授、全日本ピアノ指導者協会キャリア支援室長。他の著作として『「音大卒」の戦い方』(ヤマハミュージックメディア)、『大学就職課発!! 目からウロコの就活術』『「音楽教室の経営」塾』①、②巻(ともに音楽之友社)、『そうだ!音楽教室に行こう』(音楽之友社)など。

音大生の応援団長、大内孝夫さんにお聞きしたいことなどありましたら、こちらからお問い合わせください>>>

次回の掲載は2021年10月10日ごろを予定しております! ぜひお楽しみに!

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