「音大卒」は武器になる③
―ハラミちゃん―
今やYouTubeにて185万人の登録者数を誇る超人気ポップスピアニスト、ハラミちゃん。
光栄なことに先日対談させて頂きました。
対談内容はHappy Jam(島村楽器様)サイト>>>【前・後編】とWebマガジンONTOMO(音楽之友社様)サイト「音大ガイド」>>>に掲載されていますので、よろしければご覧ください。音大生や音大進学を考えているみなさんにとって、とても参考になる内容だと思います。さて、今回は対談記念(笑)として、音大生の進路のひとつとして、ハラミちゃんのケースを考えてみましょう。
ハラミちゃんが笑顔で楽しそうにピアノを弾いているのを見ていると、まるでピアニストになるべくして生まれてきたようです。でも、決してそんなことはなく、先生に「ピアニストは無理!」と断言されたこともあったほどです。詳しいお話はハラミちゃんのご本『好きのパワーは無限大』(KADOKAWA刊)をお読みいただくとして、ハラミちゃんがみなさんに教えてくれているのは、「音楽の仕事に行きつくのも、一直線とは限らない」ということではないかと思います。もしハラミちゃんが音大卒業後、一般就職していなければ、今のハラミちゃんは生まれていなかったかもしれないのです。
音大生の間では、「企業就職したら負け」「音大に行った意味がない」といった考えが蔓延しています。でも、そんなことはありません。ハラミちゃん以外にも、一般就職後にコンクールで優勝して音楽の道に戻り、音大教授になった声楽の先生もいます。このような事例を見ていると、人生にはいろいろな道があることがわかります。みなさんはせっかく音楽をしっかり学んでいるのですから、どのような道に進むにせよ、その音楽を大切にすることが人生を切り拓くことに通じる気がします。
人生は決して一直線ではありませんし、思わぬ偶然にも左右されます。いい方向にも、悪い方向にも。ハラミちゃんとお話しする中で、現実と真剣に向き合い、自己を見つめ、挫折をバネにできる人に、その偶然は微笑みかけると知りました。