教員になる③
―教員採用試験は
どうなっているの?(その2)―
さて、難易度が下がったとはいえ、難関な教員採用試験。合格の確率を上げるには、試験について十分研究しておくことが大切です。今回は公立学校教員の採用試験にはどのような特徴があるか見ていきます。
まず大きな特徴は、自治体によって試験内容が異なるということです。どの自治体も「筆記試験」「小論文」「実技」「面接」などがある点はほぼ共通しています。しかし細かく見ていくと、結構大きく異なります。例えば、多くの自治体で課されている「一般教養」が東京都などにはない、同じピアノの弾き歌いでも「赤とんぼ」のみを指定する自治体もあれば、「赤とんぼ含め7曲から当日指定した1曲」という、思わず「いじわる!」と叫びたくなるようなものもあるといった具合です。またピアノ実技に加え、琴、三味線、尺八から1つ選んで自由演奏、アルトリコーダーで初見演奏、などを課す自治体もあります。小論文は、最近起きた教育に関する事件などを題材にしたものが頻出。日頃の教育時事には関心を持っておかないと、「しまった!」となりかねません。
それと、最近は面接がより重視される傾向にあります。すべての自治体で行われますが、方法は個人面接、集団面接のほかに、集団討論、模擬授業、場面指導などがあり、このうちどれか2種類というケースが多いようです。大学などで模擬面接などの対策を行ってくれる場合は、必ず受けましょう。実際、受けた人とそうでない人の合格率は全然違って、とても驚きました。
筆記試験で大半の人が苦労するのは「教職教養」。教育は憲法などの法律に基づいて行われますので、法律に関する出題が多く、手を焼くようです。あと「音楽専門」も得意の音楽とはいえ、試験範囲の広さからよく呻き声(笑)が聞こえてきます。
少なくとも「教職教養」「音楽専門」そしてピアノが苦手な人は「ピアノ実技」で苦労するのが目に見えていますから、できるだけ早く準備をはじめましょう。