情報を鵜呑みにしない②
前回、就職先を考える場合、さまざまなことについて自分が描くイメージが正しいのか、自分で調べてチェックする必要がある、という話をしました。これは就職に限らない話ですが、最近は特にフェイクニュ-スなどと言われるように、真実ではない報道や噂、コメントの類が非常に多いからです。ご自身の将来に大きな影響を与える就職ですから、きちんとした情報を得たいものです。
特に注意していただきたいのは、会社説明会の内容です。会社の説明が正しいかどうかは、少し疑いを持って見るくらいでなければいけないと思います。というのも、どうしても自分の会社を良く見せようとするのと、悪い話は隠したがる傾向があるからです。これについて就活ではありませんが、ロシアのウクライナ侵攻を例に考えてみましょう。
ロシアのウクライナ侵攻から約1カ月経った3月25日にロシアは自国軍の死者数を1,351人と発表しましたが、NATO(北大西洋条約機構)は7,000人以上と推計しています。巡洋艦「モスクワ」についても、ウクライナの攻撃によって沈没したとの見方が有力ですが、ロシアは「艦内で発生した火災により弾薬が爆発」したためと説明しています。どちらが正しいかの判断は皆さんにお任せしますが、発表されていることと現実が食い違う事例は枚挙に暇がありません。
では、どうしたらいいのでしょうか?
会社の場合、会社の活動結果が「決算書」という形になって現れます。この決算書をきちんと読み込むことです。「売り上げは順調に伸びている」との説明を受けたなら、過去5年間の毎年の売上高の伸びを確認すればわかりますし、「利益が上がっている」と言われれば、売上高に対する営業利益率や経常利益率を調べて、同業他社と見比べればわかります。劣っている場合は、なぜ劣っているのか?と質問するといいと思います。
このような作業をほとんどせずに、会社の説明を鵜呑みにして入社を決める例が非常に多いです。数字が絶対ではありませんが、少なくとも会社説明会でその会社の社員が語る内容よりはあてになると思います。