人生とマラソン①
スポーツの秋ですね。テレビを観ていると、マラソンや駅伝が盛んに放映されています。それを観ながら、よく人生はマラソンに例えられることに思い至りました。いくつもの上り下りや曲がり角があり、時には腹痛や足の痙攣などのハプニングが襲い掛かります。それらを乗り切ってゴールにたどり着くその様は、まさに人生そのものといっていい気がします。しかし、私はこの言葉が伝える教訓は、そう単純なものではないと感じています。特に「人生100年時代」といわれるようになって、その違いにもスポットを当てる必要がある気がするのです。
人生とマラソンでまず気が付く大きな違いは、マラソンはみな同じ条件で同じ道を走りますが、人生はみなが違う条件で違う道を歩むということです。ひとつとして同じ人生はありません。ですから時に人生の「勝ち組」「負け組」のような表現が使われることがありますが、本来マラソンと違って、勝ち負けとは無縁のものです。ただ、歩む道には幸福感が薄い歩みもあるのは確か。私は銀行員として多くのお金持ちとお付き合いがありましたが、お金持ちが幸福とは限らないと思う多くの出来事に遭遇してきました。
一方、おカネが極端にないというのは、本当につらく、みじめなものです。ですから若い人は、夢や希望を抱くのは大いにいいことなのですが、大学を出てどうするかを考える際は、「おカネは幸福へのパスポートではないが、不幸のいくつかは摘み取れる」という事実は頭に入れておいた方がいいと思います。是非自分の置かれている立場や環境は確認してみてください。
最後にお知らせです。2022年12月4日(土)にJAZZ EMPの「兜LIVE!」がオンラインで開催されます。「音楽と金融の融合」「若手ミュージシャンの育成」をコンセプトに未来のジャズシーンを担う実力派若手ミュージシャンが集結するイベントで、そのオープニングに対談形式でお話しさせていただくことになりました。是非ご視聴いただければと思います。