音大生応援団長の進路指導
連載50

就職活動の留意点①
就活スケジュール

もうすぐ3月。就職活動(以下「就活」)が本格化する時期になりました。いい悪いは別として、就職活動ほど建前と本音が違う世界はあまり見かけません。現在の大学3年生や大学院1年生が該当する2024年卒については、23年卒同様、政府より「3月1日以降広報活動(会社説明会など)開始、6月1日以降採用選考活動(面接、グループディスカッションなど)開始」と発表されていますが、これを額面通りに受け取ると、就活は失敗します。

就職活動 というのもリクナビ、マイナビなど多くの就活支援機関の調査では、3月1日時点での就職内定率(内々定含む)は20%を超え、6月1日には7割前後にも達しているからです。特に3月1日にエントリーシート受付が始まりますから、実質的にはここが採用選考のスタートです。就職を希望する学生のみなさんは、そのことを肝に銘じて頂きたいと思います。

さて、ではどういう企業からエントリーするか? 志望度の高い順にエントリーする、人気企業からエントリーするなど、考え方は人によってさまざまです。ただ初めの戦略を間違えると、就活を続ける気力を失うので注意が必要です。具体例としては、アナウンサー志望でアナウンサー職ばかり何社も受ける学生。毎年見かけますが、ほとんどが10~20社受けて全滅し、茫然自失状態に陥ります。というのもアナウンサーは人気業種で難易度が高く、そう簡単に受からないからです。

また音大生の特徴として、歌劇団やオーケストラなど音楽関係の職種に人気が集まります。しかし、こちらは募集人員が1、2名かつ既卒者応募可となっているケースが多く、これまた新卒には高い壁が待ち受けています。

エントリー ですから就活初期段階では、ご自分の志望度や人気があまり高くない企業からチャレンジしてはどうかとアドバイスしています。それで面接に慣れ、自信を付けてから志望企業や人気企業を受けても遅くはないと思います。ただし応募締め切りは要注意です。

音大生の応援団長、大内孝夫 profile

音大生の応援団長、大内孝夫 元メガバンク支店長(慶応義塾大学経済学部卒)。
音大に転職し、音大生のすばらしさに感動!『「音大卒」は武器になる』を執筆、ベストセラーに。企業就職のみならず、演奏家、音楽教室などを志すすべての音大生にエールを送る。2020年より名古屋芸術大学教授、全日本ピアノ指導者協会キャリア支援室長。他の著作として『「音大卒」の戦い方』(ヤマハミュージックメディア)、『大学就職課発!! 目からウロコの就活術』『「音楽教室の経営」塾』①、②巻(ともに音楽之友社)、『そうだ!音楽教室に行こう』(音楽之友社)など。

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次回の掲載は2023年3月10日ごろを予定しております! ぜひお楽しみに!

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