音大生応援団長の進路指導
連載54

就職活動の留意点⑤
気後れするな

音大生が就活を決意して、最初に直面する問題は「どこから手を付けたらいいの?」という問題ではないでしょうか。就活する学生は少数派。大学にリクルートスーツで来る人はほとんどいません。就活することを先生に話したらどんな反応を示すか、不安に思う人も多いと思います。音大のキャリアセンターにいるとき、そのような学生に多く出会いました。

就活 確かに不安は色々ありますが、できれば「私は就活する!」と堂々と宣言することです。隠れてやらないと演奏会に出してもらえないかもしれない、レッスンでの先生の態度が急変するかも…と不安は尽きませんが、最近は就職に理解を示す教職員も多くなっています。また宣言することで、気持ちも前向きに切り替えられるのではないでしょうか。もし宣言して困ったことがあれば、是非このコラムの質問コーナーに状況をお知らせください。一緒に解決策を考えたいと思います。

次に「宣言してみたものの、どう動けばいいの?」という問題です。まずは就活支援サイトに登録し、企業説明会などに参加してみることです。活動していくうちに、段々慣れていきます。

その際、最も重要なことは「気後れしないこと」。就活では、一般大学の学生の話を聞いて、「みんな賢そう」「勉強していそう」などと感じるケースが多いようです。でもそんなことはありません。彼らだって就活は初めての経験ですし、ひけらかしている金融や経済の知識も最近慌ててググって知ったものがほとんどです。みなさんのように毎日積み重ねで得られているものはそう多くありません。

大企業 それと大企業にも堂々と挑戦してみましょう。というのも、音大生に理解ある企業は大企業に多いからです。なぜなら中小企業は募集人数が少ないために採用実績のある大学中心の募集になりがちですが、100人以上採用する大企業は多彩な人材を求めており、音大生を採用して成功した経験を持つ企業が多いからです。是非積極的にチャレンジしてみてください。

音大生の応援団長、大内孝夫 profile

音大生の応援団長、大内孝夫 元メガバンク支店長(慶応義塾大学経済学部卒)。
音大に転職し、音大生のすばらしさに感動!『「音大卒」は武器になる』を執筆、ベストセラーに。企業就職のみならず、演奏家、音楽教室などを志すすべての音大生にエールを送る。2020年より名古屋芸術大学教授、全日本ピアノ指導者協会キャリア支援室長。他の著作として『「音大卒」の戦い方』(ヤマハミュージックメディア)、『大学就職課発!! 目からウロコの就活術』『「音楽教室の経営」塾』①、②巻(ともに音楽之友社)、『そうだ!音楽教室に行こう』(音楽之友社)など。

音大生の応援団長、大内孝夫さんにお聞きしたいことなどありましたら、こちらからお問い合わせください>>>

次回の掲載は2023年5月10日ごろを予定しております! ぜひお楽しみに!

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