年金の話②
今年もいよいよ終わりが近づいてきました。あと数日で2024年です。「ミレニアム」という言葉が使われるようになり、「コンピューター2000年問題」で大騒ぎした2000年から四半世紀になろうとは、感慨深いものがあります。日頃の生活ではあまり年齢による衰えを感じることはないのですが、ついこの間のように思ってしまう私は、それなりに年を取ったのだなぁ、と実感します。そしてこのコラム連載も70回を迎えました。読者のみなさんには心より感謝申し上げますとともに、これからもよろしくお願いします。
さて、年金の話の続きです。前回、年金は「遠い将来の話」と書きましたが、じつはそうでもない場合があります。というのも「障害年金」という制度があるからです。障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金があり、前者は国民年金を支払っている人、後者は厚生年金を支払っている人が対象となります。対象年齢は20歳から65歳ですから、若くして事故や精神的な事象に起因する障害を発した場合にも受給資格が生じます。
受給できる金額は、障害の程度によります。最も程度が低い障害厚生年金3級で、「日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある」となっていて、その最低保証額は60万円弱となっていますが、障害基礎年金も受給できる状態になると80万円近くが加わりますから、140万前後支給される計算です。障害厚生年金3級くらいの症状であれば、誰にでも起こりえるものだと感じます。しかも約100種類の病気が対象で、その中にはうつ病、統合失調症などの精神疾患も含みます。その意味では利用しないに越したことはありませんが、まさかの時には非常に頼りになる存在ではないでしょうか。年金のお話が少しでも自分事に感じていただければ幸いです。
なお障害年金の受給資格は、①初診日が証明できる、②一定の障害状態にある、③一定の保険料納付期間がある、の3つを満たすこととなっています。