街でヒントを探そう②
前回、街でヒントを探そう、とお伝えしました。みなさんにお伝えして、自分でも探してみようと出かけてみると、ストリートピアノが多くあるのに気づきました。私の家の近くでは、所沢駅にあるのですが、結構多くの方が弾いていて、休日は順番待ちになるほどです。しかも男性陣が頑張っている姿が目立っていました。曲もクラシックよりはYOASOBIさんとかOfficial髭男dismさんなどのヒット曲や、「鬼滅の刃」のようなアニメソングなどが多いように感じました。
そこでさらに調べてみると、神戸市はストリートピアノにかなり積極的で、9区全区に33台! ものピアノを設置しているとのことです。すごいですよね。
こうした流れを大事にしたいですね。私たち個人ではやれることが限られますから、仲間を募って自治体にさまざまな音楽活動の提案をしてはいかがでしょう? そうした取り組みは、すでにいろいろなところで起こり始めています。
例えば栃木県宇都宮市は20年以上前から「JAZZの街宇都宮」を標榜し、さまざまな活動を行っていますし、兵庫県姫路市も「ル・ポン国際音楽祭」や「姫音祭」などを開催し、街の活性化に音楽を役立てています。
私が評議員を務める全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)も、「OPEN PIANO PROJECT(オープンピアノプロジェクト)」を立ち上げ、全国の学校・病院・保育園・公園などのパブリックスペースでの音楽イベントや、ジャンルを超えた音楽の探求、新しい音楽教育のかたちの提案を始めました。2022年4月に第一弾の静岡駅地下コンサートを皮切りに、奈良県葛城市、宮城県仙台市などでも、次々とイベントを行っています。
自分の街でもそのような取り組みができないか、考えてみてはいかがでしょう。音楽はグローバルである一方、超ローカルでもあります。地域で一緒に活動できる人はいないか、自治体に何か働きかけができないか、ピティナや日本弦楽指導者協会(JASTA)のような音楽団体の協力は得られないか、自ら考え、動くことが重要です。そんな熱心な活動に、音楽の神様は微笑む気がするのですが、いかがでしょう。