芸術と経済学
そろそろ夏休みも終わりですね。大学によっては「授業は10月から」との羨ましい声が聞こえる大学もありますが、名古屋芸術大学の後期授業は9月16日(月)「敬老の日」からです。最近の大学は、月曜日が休日になることが多い、日程がタイト、などの理由から、授業期間中は休日も授業を行う大学が多いようで、うちもご多分に漏れません。
私は今年度から「経済学」の授業を担当することになり、いよいよ後期スタートです。夏休み期間中は、芸術系大学で経済学をどう教えようかと思いあぐねていました。
結果として、マルクスだケインズだと経済学者やその理論にスポットを当てて講義をしても役立つことは少ないと考え、15回の授業を一回完結型にして、各回にテーマを付けました。例えば第2回「節約は美徳っていうけれど、おカネは使わない方がいい?」、第8回「最近モノがやたら値上がりしているけど、なんで?」、第10回「景気がいいとか悪いっていうけれど、それって就活と関係ある?」といった具合です。
正直、堅苦しい「経済学」の知識は世の中に出た際、あまり役立たないのが実情ですが、「おカネ」にまつわるさまざまな現象がどうして起こるかに興味を持つことや適正な金銭感覚を身につけることは、音楽家であっても美術家であっても絶対に必要です。この授業を機に、少しでも「経済現象」や「おカネ」に興味を持ってもらえるようになればと願います。
このような考えから、この授業の到達目標は二段階とし、「第一は細かな経済理論は知らなくても、経済に興味を持つことが楽しいと感じられるようになることである。最低限ここを目指してほしい。より高い到達目標としては、将来株式等の投資や住宅ローンなどの借り入れを行う際、自分としてのしっかりとした投資基準や返済能力認識を持つことが大切だと感じられるようになることである。」としました。
学生のみなさんの多くがより高い到達目標に届くよう、授業の工夫を行っていきたいと思います。