音楽ビジネスのヒント③
さまざまな場所で
音楽ビジネスの花は咲く
私はここ4年半ほど東京と名古屋の二拠点生活をしていますが、最近は仕事の関係で休日を名古屋で過ごすことが多くなりました。11月初旬の小春日和の日に大須観音を訪れてみると、商店街の一角に大行列ができています。何のお店かと思ったら、名古屋グランパスのグッズショップでした。優勝記念セールのようでしたが、その熱気に圧倒されました。同時に音楽ビジネスも早くスポーツ並みになってほしいものだと強く思いました。音楽にはスポーツ以上のビジネスが眠っている気がするのですが、なかなか本気で目を覚ましてくれませんね。
ただ音楽はさまざまなものにくっつきやすいのが大きな特徴です。例えば携帯電話。携帯電話が我々庶民に普及し始めたのは1990年代でした。そのときに携帯電話の着信音にメロディをつけることを思いついたのが株式会社フェイスの平澤創社長です。音楽大学ご卒業後、ある有名バンドとデビューを競い、敗れてビジネス界に入ったそうです。この事業が大成功をおさめ、大手レコード会社である日本コロムビアを買収し、現在は会長をお務めになっています。
最近では音楽配信が大きなビジネスになっていますし、ゲーム音楽なども市場規模を拡大しています(大手ゲームソフト会社にも音大卒の社長がいます)。
音楽は健康にも結びつきやすい特徴があります。というのも、楽器や歌の演奏は適度な有酸素運動だからです。一番運動量が多いのはドラムだそうで、1時間演奏すると200Kcal以上を消費します。ピアノやヴァイオリンで150Kcal前後。このくらいの運動量が健康には丁度いいようで、マラソンなどのハードな運動は活性酸素を大量に発生させ、免疫力を弱らせるそうです。それでも健康には断然スポーツが優勢で、音楽は陰に隠れています。
スポーツに比べ音楽が圧倒的に弱いのはマーケティング力ではないかと感じます。音楽を愛する多くの人が、音楽をビジネスにもっと役立ててほしいと願います。