うまくいかない時の
「立て直し術」
練習しても思うように弾けない、やる気が出ない、気持ちが沈んでしまう…。音大で過ごす中で、そんな“うまくいかない時期”は誰にでもやってきます。頑張っているからこそ、壁にぶつかることもあるのです。
まず大切なのは、「うまくいかない=ダメな自分」と決めつけないこと。演奏は、心や身体の状態に左右されやすいもの。調子の波があるのは自然なことだと知るだけでも、少し気持ちが楽になります。
立て直しの第一歩は、「今の状態に気づくこと」。なんとなく練習に向かえないときは、いっそ楽器から少し離れて、自分の心と体の声に耳を傾けてみましょう。寝不足や疲労が原因なら、まずはしっかり休むこと。悩みがあるなら、誰かに話すだけでも気持ちが整理されるかもしれません。
また、「練習のやり方」を見直してみるのもおすすめです。練習時間を短くしてみる、目標を小さくしてみる、あるいは好きな曲を1曲だけ弾いてみる――そんな小さな変化が、気持ちの切り替えにつながります。
もうひとつ、忘れたくないのが「外からのインプット」です。気分転換に、他の楽器の演奏会やオペラ、演劇、美術展などに足を運んでみるのもよい刺激になります。音楽以外の表現や価値観に触れることで、自分の感性がふっと広がるような瞬間があるかもしれません。
そして何より、「一人でなんとかしようとしない」こと。仲間や先生との会話の中で、思いがけないヒントや安心感を得られることもあります。
うまくいかない時期こそ、成長のチャンス。少し立ち止まりながらでも大丈夫。焦らず、自分らしいペースで歩き直していきましょう。