就職活動の留意点③
群集心理に巻き込まれていないか?
前回、会社説明会に臨む際の心構え的なお話をしました。会社説明会が、面接などではなく、言葉通りの会社説明会であっても、面接に臨むのと同じくらいの心構えでいる方がいいと思います。ただ会社が説明する中身は、鵜呑みにすることなく「本当かな?」と少し疑いながら聞くことも必要です。というのも、どうしても会社はいいことは強調し、都合の悪いことは隠す傾向があるからです。また会社の説明が実際の状態と整合的かどうかを見分けるひとつの手段として、決算書に強くなることが挙げられます。この辺りはこのコラム第29回から33回で詳しく書いていますので、読み返しておいてください。
さて、音大生であれば今の段階で就活をするかどうかで悩んでいる人も多いのではないでしょうか? 音大生特有の就活事情として、私は「群集心理が働きにくい」点があるように思います。音大によって就活熱に温度差はあるものの、音楽以外の企業や団体に就職しようと活動するのは大体3割くらいです。私の就活時代を振り返ると、みんなが就活を始めたので、それに釣られるように活動し始めた記憶がありますが、音大生の場合、就活をする人の方が少なく、「みんなも就活しないようだから、私も」という気分になりやすいように思います。
しかし私が受ける相談では、30歳くらいから「こんなことなら卒業の際に就職しておけばよかった」「社会の現実を知らな過ぎた」との後悔の声が非常に多くあがります。
3月13日にインターネットテレビ「ABEMA Prime」の「音大生の進路は険しい? 夢追い人を応援する責任とは」と題する番組に出演させて頂いたのですが、そこに出演された30歳の音大卒業生戸田さん(仮名)もそれに近い状況でした。「私の場合、成績が優秀だったわけでも、自信に満ち溢れていて将来が明るいと思っていたわけでもない」といいつつ、それでもフリーランスの道に進んだとの話が印象的でした。この番組の要旨をまとめた記事を添付しますので、是非お読み頂き、進路選択の参考にして頂ければと思います。